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トピック:スタートアップとベンチャー

弁護士とタームシートを読む夜

弁護士との電話、月曜の夜

代表 四枚です。ポスト二十五億に五億入るので、先方は二十パーセント。ここは望んだとおりでした。

弁護士 それは一枚目の数字です。お金の話は二枚目にあります。清算優先権が一倍、参加型優先株。

共同創業者 売るときに、どうなるんですか。

弁護士 まず五億を抜きます。そのあと、余った分の五分の一もいっしょに持っていきます。非参加型優先株なら、どちらか片方を選ぶ形になります。

代表 株を持っているあいだ、それはずっと消えないと。

弁護士 消えません。次はプールです。十二パーセントを、先方のお金が入る前に作れと書いてあります。オプションプールシャッフルで、削られるのはこちら側です。

共同創業者 では、二十五億は二十五億ではない。

弁護士 穴の開いた二十五億です。希薄化防止条項は普通のほう、加重平均でした。フルラチェットと書いてあったら、席を立つよう申し上げます。

代表 次のラウンドのプロラタ権と、取締役の席も求めています。

弁護士 プロラタは普通の話です。席のほうは、取締役が二人から三人になるということ。そして、先方の同意なしにはできないことの一覧が付いてきます。会社を売ることも、その中に。

共同創業者 拒否権ですね。

弁護士 名前の挙がった決定についての拒否権条項です。それから、署名するとノーショップ条項が三十日走ります。まだ話している別のファンドには、明日のうちに電話を。

代表 では、プールの話を先に、席の話をその次に。

表に出る数字は、最初の一分で決まります。残りの夜は、会社が売れた日にその数字がいくらの意味を持つのかを決める文に使われます。

インクの線で描いた紙が四枚、机に広げてある。一枚目は白く、二枚目は条項でびっしり。その一行に黄土色の下線が引かれ、横に万年筆が一本
一枚目は数字、二枚目はお金

タームシートは、値段から力へ動く

はじめの数行は算数です。会社がいくらと呼ばれ、いくら入るか。次に来るのは、何年も先かもしれない売却の日についての行と、それまで誰が決めるのかの行。最後の一行は、考える時間が何日あるかです。

タームシートTerm sheet

投資の主な条件をまとめた短い文書。多くは拘束力を持たず、正式契約の前に署名する。

先方のタームシートは手元にあるが、金曜で期限が切れる。

四枚の紙で、署名しても縛られない部分がほとんど。それでもここで譲ったものは、縛るほうの書面に一字違わず戻ってきます。

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ポストマネーバリュエーションPost-money valuation

プレマネーに新しい投資額を足した値。投資家の持ち分比率はこれを分母に計算する。

ポストは2,500万ドル。だから500万ドルはちょうど20%。

口に出され、友人に伝えられる数字。プレマネーと絶えず取り違えられ、その差がラウンドまるごとです。

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清算優先権Liquidation preference

売却代金から、普通株より先に優先株が取る金額。多くは投資額の何倍という形で決める。

前回のラウンドの2倍優先が、全員の前に立ちはだかっている。

会社が売れた日、誰が先に受け取るかを決める一行。良い値段では誰も気にせず、そこそこの値段ではそれが結末そのものになります。

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「清算優先権」のカードの裏面を開いたアプリの画面
アプリでは「清算優先権」のカードに音声がついています
トピック内の検索画面。見つかったカードが3枚
言葉の一部でも探せます

参加型優先株Participating preferred

まず優先分を受け取り、そのうえで残りも普通株と一緒に分け合う優先株。

参加型なので、1,000万ドルを先に抜いたうえで残りの20%も取っていく。

投資家が支払いの両側に同時に立つ形。創業者は細部として読み、弁護士は書面の主役として読みます。

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非参加型優先株Non-participating preferred

優先分を取るか、普通株へ転換するかを保有者が選ぶ優先株。両方は取れない。

標準の非参加型1倍。大きいほうを選ぶだけ。

多くのラウンドが落ち着く形で、どちらか片方を選ばせます。書面では一語の差、売却の日には別の会社です。

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オプションプールシャッフルOption pool shuffle

プールをプレマネーの中で作る・広げること。その希薄化を新しい投資家でなく既存の保有者が負う。

プレマネーで12%のプールを求められた。実質こちらの株価が下がる話。

祝っている評価額より、決まった評価額のほうが静かに低い理由。採用の相談という顔をしてやってきます。

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希薄化防止条項Anti-dilution protection

後から安い株価で発行したとき、優先株の転換価格を調整する権利。

希薄化防止はブロードベース加重平均。想定どおり。

あとで安いラウンドが来たときの保険で、掛け金を払うのは普通株を持っている側。ほぼどの書面にもあって、もめるのは種類のほうです。

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フルラチェットFull ratchet

いちばん厳しい希薄化防止。安い株が少数でも、先の優先株の転換価格を新しい安値まで下げる。

ダウンラウンドでフルラチェットが効けば、普通株は潰れる。

悪い四半期を、会社を失う話に変えてしまう種類。見かけること自体が、そのファンドについての情報になります。

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プロラタ権Pro rata rights

今の持ち分比率を保てるだけ、次のラウンドを買える既存投資家の権利。

シードのファンドは、シリーズAでプロラタを満額使う。

同じ割合を保つために、次も払える権利。これがないと、いちばん早く信じた投資家が名簿から消えていきます。

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取締役の席Board seat

取締役会での議決権を持つ地位。プライスドラウンドのリード投資家に渡すことが多い。

先方は取締役の席を一つと、オブザーバーを一人求めている。

関係が送金から、四半期ごとに顔を合わせるものへ変わる地点。

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拒否権条項Protective provisions

優先株主の同意なしには会社が取れない行為を並べた一覧。

会社の売却は拒否権条項に入っている。つまり先方が握っている。

書面の静かな中心。自分たちだけでは決められなくなる事柄の短い一覧で、会社を売ることはたいていそこに載ります。

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ノーショップ条項No-shop clause

署名から決めた期間、他の投資家や買い手と交渉しないという拘束力のある約束。

ノーショップは署名から30日間。

四枚のうち、署名した瞬間から縛る唯一のところ。その晩のうちに、気まずい電話を一本かけることになります。

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四枚は、弁護士の手で四十枚になる

今夜譲った言い回しは、そのまま正式な書面に戻ってきます。そのころには交渉ではなく、清書です。声に出して読むのは、そのときのあなたです。

質問と答え

投資まわりのほかの言葉は。

トピックのページに、150語すべて。ここにあるのは十二語で、一枚のタームシートに出たぶんです。

なぜ英語が並んでいるのですか。

書面は英語で作られ、机では日本語で読み上げられます。カードは両方を並べて持っているので、参加型が何の参加なのかを当てずっぽうで決めずにすみます。

説明はどこから。

「スタートアップとベンチャー」のトピックから。アプリと同じカードです。

次の一枚では、別の十二語が効いてきます。

「スタートアップとベンチャー」のトピックには150枚。アプリでは、1日に数枚ずつ届きます。

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